黒字なのに現金がない|物販・せどりの仕入れとキャッシュフローのズレ

前職はIT企業、現在はShopifyで古着屋ECを運営しながら田舎でゆったり暮らしてます。
- 古着屋歴:5年9ヶ月
- インスタ(フォロワー):6,100
- 在庫:約1,000着
- 実務はパートナーに全外注
※2026年8月現在


- 利益は出てるのに、口座の残高がキツい…
- 仕入れを増やすたびに、手元がなくなる気がする
- 物販のキャッシュフローって、何を見ればいいの?
この記事はこれらのお悩みを解決します!
あなたは「黒字なのに現金がない…」「売れてるのに仕入れのたびにショートしそう」と悩んでいませんか?
前提として、物販・せどりは利益が出ていても仕入れによって先にお金が出ていく構造です。
売上を伸ばそうとするほど、手元の現金が先に減りやすい——これがキャッシュフローのズレです。
本記事ではまずその仕組みを理解すること、そしてキャッシュの手残りを増やしていくためのコツを、古着の実例イメージで解説します。
物販・せどりをされている方、店舗経営で仕入れ販売をされている方は、ぜひ参考にして下さい!
利益が出ても現金が残らない理由

毎月利益は出てるはずなのに、なぜか手元の資金が一向に貯まらないんだよね…

あるあるですよね!物販特有の現象を、まずは理解しましょう!
結論から言うと、物販やせどりは「売れて利益が出る」ことと「口座に現金が残る」ことが、そのままイコールになりません。
私自身、2021年頃にメルカリで古着せどりを始め、当時はラクマやBASEにも同時出品していました。
売上は順調で、利益が出れば出るほど新たな仕入れに回していました。
しかしその感覚のまま在庫規模を維持しようとすると、売上が落ち着いた時に資金ショートの危機感が出てきたのです。
だからこそ私たち物販・せどりプレイヤーは、まずは仕入れとキャッシュフローのズレを理解しておく必要があります。
仕入れ→販売→また仕入れのループ

物販・せどりのお金の流れは、ざっくり説明すると次のループです。
- 仕入れる(現金が出る)
- 売る(売上・粗利が出る)
- また仕入れる(現金がまた出る)
ここで大事なのは、売上を伸ばしたいほど、仕入れが先に現金を持っていくことです。
分かりやすいように、1つ例え話をしましょう。
仮に、1つ1,000円で仕入れた商品を3,000円で売るとします(粗利2,000円)※手数料の概念は省きます
①50着売れた場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売上 | 15万円(3,000円×50) |
| 仕入れ代金 | 5万円(1,000円×50) |
| 手元資金(粗利合計) | 10万円 |
この商品を50着仕入れて全て売りさばいた場合、上記のような計算になります。
もちろんここまでは「儲かってる」感覚になりやすいです。
では儲けた10万円を使って、さらに倍の数仕入れようとします。
②売上を2倍(100着)に伸ばしたい場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 手元にある現金 | 10万円(①の粗利) |
| 仕入れ資金 | 10万円(1,000円×100) |
| 手元資金 | +-0 |
では次に、売上を倍にするために倍の数を仕入れるとどうなるでしょうか。

あれ?売上2倍なのに、手元が空っぽ…?

そうなんです。伸ばすほど仕入れが先に現金を持っていきます!
利益が出ていても、規模を広げようとするたびに手元が空になりやすい——これが物販特有の仕入れループです。
いわゆる黒字倒産も、「利益はあるのに支払う現金がない」状態の極端な例です。
まずは「利益=安心」ではない、と覚えておくことが重要です。
利益とキャッシュフローは別物

私自身、古着せどりを始めてしばらくは、

利益が上がれば事業は安泰だろう!そうだろう!
と思っていました。
以前ほどの売上が落ち着き始めた頃も「在庫数はキープしなきゃ!」という頭のまま仕入れを続けていました。
そうこうしている内に、気づけば手元の資金が少しずつ減り、

やばい!このままでは首が回らんくなる!
という危機感を感じました。
特に私はパートナーや外注さんに作業を一任しているため、それらの報酬の支払いも考慮する必要がありました。
結果、古着事業単体の利益が薄いのに他の財布から経費や報酬を補填していた、という時期が1年以上ありました。

利益が出てるつもりなのに、口座が減るのね…

数字の管理を怠ったことが原因です…。だって数字見るの嫌なんだもん。笑
物販のキャッシュフローの見方
このような反省を踏まえ、ここから「じゃあ何を見ればいいのか?」を解説していきます。
ここでは難しい会計の話はせず、物販・せどりで使える手残りの考え方に絞ります。
手残り=利益−その月の仕入出金

本記事でいう手残りは、次のイメージです。
手残り =(その月の利益)− その月の仕入出金
「その月の利益」とは、できれば報酬や経費まで全て引いた後の数字で見るのが理想です。
ただ最初は難しく考えず「その月いくら残ったか」から「その月いくら仕入れに出したか」を引く、で大丈夫です。
例えばその月の利益が10万円でも、仕入出金が12万円なら、手残りは-2万円です。
利益は出ていても、手元は減っています。
粗利だけでは足りない理由

1商品ごとの粗利(売値からメルカリなどの手数料・送料・仕入を引いたもの)は、もちろん大事です。
ただ粗利は「その商品でいくら残ったか」であって、その月トータルでいくら現金が残ったかまでは教えてくれません。
だから「粗利が出てる=キャッシュが大丈夫」とは限りません。
とは言え、いきなりすべての数字を追うのは難しいです。
まだ数字の管理すら始められていない、という方は、まずは粗利を正確に算出することから始めてみて下さい。
なお、本サイトで無料で配っているエクセル管理表は、1商品ごとの粗利までを追う設計で作成しています。

単月のブレを年間でならす考え方

もうひとつ大事なのが、キャッシュフローを単月だけで判断しないことです。
例えば古着だと、仕入れの時期が偏ると単月の手残りが悪く見えることがあります。
例として、単価の高い冬物を早めに準備するために夏頃にまとめて仕入れると、こんなことが起きます。
- 夏は単価が安いので売上が低くなりがち
- なのに単価の高い冬物を一気に仕入れる
- 結果、7〜8月等は単月で見ると手残りが少なく見える
つまり古着の場合、10月から翌2月あたりのオンシーズンまで含めてならすことで、初めていくら手残りがあるかが見えてきます。

なるほど。夏に冬物を仕入れると夏頃だけ赤字っぽくなるのね~

その通り!だから年間(トータル)で見る視点が大事です!
キャッシュフローの重要性を理解すると、むやみやたらに仕入れず、その時点での手残り資金を見て仕入れをセーブする判断もできるようになります。
単月の数字は参考にしつつ、最終的には年間でならした手残りを見る——これが物販のキャッシュフローの見方です。
在庫に眠っている仕入のお金

その他にも物販でキャッシュフローを改善する方法はあるの?

あります!今から説明しますね!
実は手元の資金がキツい理由は、その月の仕入出金だけではありません。
まだ売れていない在庫にも、既に現金が隠れています。
まだ売れていない仕入原価の合計

あなたは倉庫や在庫部屋に残っている商品の、仕入原価の合計は常に把握しているでしょうか?
確定申告で棚卸資産として扱う数字にも繋がるので、この数字は常に追っておくのがベストです。
ここで、私の考え方の変化も書いておきます。
以前このブログでは「古着は腐らないから、売れ残りは置いておいていい」といったニュアンスで発信していました。
ただ最近は、在庫の回転率がキャッシュフローの健全性に直結する、と考えるようになりました。
例えば未販売の仕入原価が100万円あるとします。
この100万円は確かに資産ではありますが、流動性の高い現金ではなく売れ残った古着がただ100万円分あるという状態です。
売れ残りを抱え続けるより、赤字覚悟でも早めに現金化し、次の仕入れに回した方がキャッシュフローの面では健全です。
よく使われる例えですが、事業のお金の流れは人間で言うところの血液に近いです。
巡りが止まると、事業も止まります。
目安として、仕入れてから半年以上(※時期は商材による)経った在庫は、セールなどで赤字覚悟でも現金化する判断をとるのがおすすめです。
長く事業を続けるためにはキャッシュフロー、つまり事業の血液の巡りを止めない、という判断が重要です。

在庫の回転が重要ってことだね…!

この考え方に至ってからは、キャッシュフローに悩まされることも減ってきました!
まとめ買い(塊)単位で回収する

もう1つ、物販のキャッシュフローを改善する考え方を紹介します。
それは、まとめ買い単位での仕入れ資金を回収する視点です。
つまり、まとめて仕入れた塊ごとに数字を見る、ということです。
- その塊の仕入総額はいくらか
- その塊の仕入れ時期(出品開始日)はいつか
- 出品を始めてどれくらい売れ残ってるか
- 粗利合計が仕入総額を超えたか(元が回収できたか)
上記の視点でまとめ買い(塊)ごとに数字を追いかける癖をつけていると、様々なメリットがあります。
例えば、〇〇の塊は半年経っても元が取れていないので、月末に〇〇のジャンルに特化したセールを打つ、などの施策を企画できます。
また反対に、✕✕の塊はもう少しで元が取れる(=人気)なので、追加でもう一つ仕入れよう、などの判断もしやすくなります。
売上や粗利などの単月の数字に加えて、仕入れた塊ごとに回収できたかを見る——これもキャッシュフローを守る視点です。
なお、在庫の枚数や管理番号の付け方は、次の記事にまとめています。
まずは無料の管理表を使おう

物販でのキャッシュフローの考え方、少しわかってきたかも!

めっちゃ難しいですよね…!私自身、やりながら手探りで理解してきた部分です…
ここまでキャッシュフローや在庫の話をしてきましたが、1商品ごとの数字の管理をしていないと始まりません。
1商品ごとの数字の記録から始めよう
本サイトで公開している無料の管理エクセルは、メルカリの売上から仕入れ・手数料・送料を引いた1商品あたりの粗利までを追えます。
まずは、売れた/仕入れた商品ごとに、数字を記録する癖をつけることから始めてみてください。
手残りやキャッシュフローの理解は、その後でも遅くありません。

まずは1商品ずつ管理するところからでいいんだね!

その通りです!まずは数字を追いかけるところから始めましょう!
無料の管理エクセルは、次の記事からダウンロードできます。

まとめ
本記事の内容をもう一度まとめてみましょう。
- 物販は仕入れループで、利益と現金がズレやすい
- 手残りは単月だけでなく年間でならして考える
- 在庫に眠る仕入原価と、まとめ買い単位の回収も見る
- まずは無料の管理表で、1商品の数字を残す癖をつける
物販やせどりは在庫・売上などの数字管理が命です。
当サイトでは物販・せどりをしている方向けに、無料で使える管理エクセルを配布しています。
以下の記事からダウンロードできますので、ぜひ併せて読んでみて下さいね!


