- モチベーションが上がらない…
- 集中力を高める方法を知りたい…
- 脳内物質について詳しく知りたい!
この記事はこれらのお悩みを解決します!
あなたは「モチベーションや集中力を高めて、仕事をバリバリこなしたい!」と思っていませんか?
しかも「気合いで乗り切れ!」のような精神論ではなく、モチベーションや集中力を脳科学的な根拠を元に高められる方法があれば、知りたくありませんか?
そこで本記事では『脳を最適化すれば能力は2倍になる/樺沢紫苑』の概要やポイント、読んだ感想などをレビューします。
- モチベーションを維持できるようになる
- 集中力の高め方がわかる
- 脳内物質についての知識がつく
目次
著者のプロフィール
まず始めに、著者である樺沢紫苑さんのプロフィールを簡単にご紹介します。
1991年、札幌医科大学医学部卒。 2004年からシカゴの イリノイ大学に3年間留学。 帰国後、樺沢心理学研究所を設立。 SNS、メールマガジン、YouTubeなどで累計40万人以上に、精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝え、「日本一、情報発信する医師」として活動している。
出典元:東洋経済ONLINE
樺沢紫苑さんの本は脳科学や心理学などの観点から説明されており、説得力がある上にかなり読みやすいです。
代表的な著書に『学びを結果に変えるアウトプット大全(2018)』などがあります。
本の概要まとめ
それでは早速、本の概要を簡単に紹介していきます。
ここでは重要なポイントを7つに絞って、解説していきます。
- ドーパミン仕事術
- ノルアドレナリン仕事術
- アドレナリン仕事術
- セロトニン仕事術
- メラトニン仕事術
- アセチルコリン仕事術
- エンドルフィン仕事術
本書では、脳の重要な役割を担う7つの脳内物質を用いた仕事術が紹介されており、とても読みやすい構成になっています。
先に、各脳内物質の特徴をさらっと抑えておきましょう。
一言でいうと | 感情・気分 | |
ドーパミン | 幸福物質 | 幸福 快感 |
ノルアドレナリン | 逃走か闘争か | 恐怖 不安 集中 |
アドレナリン | 興奮物質 | 興奮 怒り |
セロトニン | 癒しの物質 | 落ち着き 平常心 |
メラトニン | 睡眠物質 | 眠気 |
アセチルコリン | 記憶と学習 | ひらめき |
エンドルフィン | 脳内麻薬 | 多幸感 恍惚感 |
それでは、一つずつご説明していきます。
①ドーパミン仕事術
まず最初に紹介するのが、あなたも一度は聞いたことがあるドーパミンです!
本書では、各脳内物質の役割をイメージしやすいように『新世紀エヴァンゲリオン』のキャラクターに当てはめて紹介されています。笑
エヴァンゲリオンを見たことない私でもイメージできて覚えやすかったので、ブログでも同様に紹介させていただきます。
本題に戻りましょう。
ドーパミンはモチベーションの源であり、より高い目標や困難な目標を立てるときに分泌される脳内物質です。
困難な状況に追い込まれるほど俄然やる気を見せる、というアスカ・ラングレーの性格とドーパミンの特徴が見事に合致しています。
またドーパミンは別名『幸福物質』であり、極端な話、ドーパミンを意識的に分泌できれば私たちは幸せになれます。
ドーパミンを分泌させる7つのステップは、以下のとおりです。
- 明確な目標を設定
- 目標を達成した自分をイメージ
- 目標を繰り返し確認
- 楽しみながら実行
- 達成したら自分へご褒美
- 新しい目標の設定
- 目標達成プロセスの繰り返し
ドーパミンは「目標を設定したとき」と「目標を達成したとき」の、2度のタイミングで分泌されます。
実現可能な目標を設定→達成した自分をイメージ→達成して快感(幸福)→さらに難しい目標を設定→達成…
上記を繰り返すことによって、あなたは仕事の成功やプライベートの充実を実現できます。
ドーパミンをうまくコントロールし、さらなる自己成長や自己実現を達成しましょう!
②ノルアドレナリン仕事術
続いて紹介するのは、ノルアドレナリンです!
ノルアドレナリンは「闘争と逃走のホルモン」と呼ばれています。
闘うか逃げるか、そうした危機的状況に陥ったときに分泌される脳内物質です。
エヴァンゲリオンの主人公シンジは、パイロットをやめようか悩む時期があるものの結局は戦わなければいけない、という状況がノルアドレナリンのイメージにぴったりです。
ノルアドレナリンは恐怖や不快を感じた時、わかりやすく言うならストレスを感じたときに分泌します。
極端な話、例えばあなたが突然熊に出くわしたとします。
その瞬間、あなたが取る行動は「闘う」か「逃げる」かです。
その恐怖心によってノルアドレナリンが分泌され、心拍数が高まり、覚醒度、集中度がアップします。
ノルアドレナリンを仕事に活かす場合、締切や制限時間を決めるのが有効です。
締切を決めることで「この時間まで必ず終わらせなければいけない」というストレスがかかり、注意力や集中力アップの効果を得られます。
もしあなたの仕事に締切がなくても「残業すればいいや」ではなく「18時までには絶対に終わらせる!」という制限時間を設け、仕事の効率を高めましょう。
一つ注意点ですが、ノルアドレナリン型仕事術は短期決戦です。
ストレスや恐怖によるモチベーションは長続きせず、短期での仕事効率アップが期待できます。
逆に長期間ストレスをかけ続けてしまうと、うつ病になるリスクがあります。
ストップウォッチで時間を計る、就業後に飲み会の約束を入れるなど、短期間で集中できる工夫をしましょう!
③アドレナリン仕事術
続いては、あなたも一度は聞いたことがあるアドレナリンです!
アドレナリンは「闘争ホルモン」であり、実際に闘っているときに分泌されます。
エヴァンゲリオンの葛城ミサトは、大胆かつ攻撃的な作戦を立案し「闘う女」のイメージがアドレナリンと合致します。
主に脳と神経系を中心に活躍するのがノルアドレナリン、脳以外の体の各臓器、特に心臓や筋肉を中心に影響するのがアドレナリンです。
つまりアドレナリンもまた恐怖や不快によって分泌され、身体機能や筋力などを一時的にアップさせる効果があります。
しかしここでは、逆にアドレナリンをオフにする方法を紹介します。
アドレナリンは、ストレスに反応して速やかに分泌され「心と体の救急隊」のような役割を担っています。
しかし夜間にもストレス反応が続いて、1日中活動し続けてしまうと、逆に体に悪影響を及ぼします。
つまり夜遅くまでの残業や、気が休まらない緊張の連続、不規則な生活などは、アドレナリンの悪い部分だけを享受することになるのです。
アドレナリンをオフにする方法は、以下のとおりです。
- 興奮系娯楽はほどほどに
- 風呂、シャワーの温度に注意
- 入眠前に激しい運動をしない
- 遅くまで残業しない
- ゆるい時間を持つ
- 家族や仲間と過ごす
- 休息を意識する
簡単にまとめると、入眠前2~3時間はテレビ、ゲーム、激しい運動などを行わず、リラックスした時間を意識的に作るということです。
家族やペットとのふれあい、読書、または何もせずにボーッとする時間も有効です。
④セロトニン仕事術
続いては紹介するのは、セロトニンです!
セロトニンは激しい情動をコントロールし、心に冷静と落ち着きをもたらします。
エヴァンゲリオンで言えば、いつも物静かで言葉数が少なく、常に平常心を保っている綾波レイと言えそうです。
セロトニンは睡眠と覚醒をコントロールする脳内物質です。
セロトニンはうつ病の治療にも使われており、分泌されると「今日も1日頑張るぞ!」という気持ちになります。
そのため、朝起きたときに意識的にセロトニンを分泌することで、1日の過ごし方がガラッと変わってきます。
1.日光
セロトニンを分泌する代表的な方法は、日光を浴びることです。
本書では、カーテンを開けたまま寝ることが推奨されています。
人間は光の刺激によってセロトニンを分泌するため、カーテンを開けたまま寝ることで自然に目覚められるようになります。
2.リズム運動
2つめはリズム運動です。
例えばウォーキング、ジョギング、階段上り、スクワット、水泳、ゴルフのスイング練習などが挙げられます。
本書でおすすめされているのが、朝起きて15~30分ほどの朝散歩です。
これにより、日光を浴びる+リズム運動の2つを一気にクリアすることができます。
3.咀嚼
最後は、しっかりと噛んで食べることです。
最低でも一口20回以上噛みながら、朝食を摂りましょう。
朝、セロトニンを活性するかしないかで、1日でこなせる仕事に大きな影響を与えます。
意識的にセロトニンを分泌させ、1日の作業効率を大幅にアップさせましょう!
※より詳しい朝時間の使い方は、以下の記事も読んでみてください。
⑤メラトニン仕事術
続いてご紹介するのは、メラトニンです!
メラトニンは「睡眠物質」であり、濃度が高まると眠気が起こりスムーズに入眠できます。
エヴァンゲリオンでいうと、いつも授業中に居眠りをしている鈴原トウジです。笑
本書は『もっとも重要な仕事術を1つ選べと言われたら、「きちんと睡眠をとること」と答えます』と紹介されているほど、睡眠の重要性を訴えています。
前回紹介したセロトニンが『寝起き』に関する脳内物質である一方、メラトニンは『寝つき』に影響すると考えてください。
メラトニンを出す方法は、以下の7つです。
- 部屋を真っ暗にして寝る
- 入眠前にうす暗い部屋でリラックス
- 入眠前に蛍光灯の光を浴びない
- 深夜のコンビニで立ち読みしない
- 入眠前にゲーム、スマホ、パソコンをしない
- 日中のセロトニンの活性化
- 朝、太陽の光を浴びる
①~⑤については、主に光を浴びないことが重要視されています。
特に注目していただきたいのは、⑥や⑦です。
実は、メラトニンはセロトニンから作られています。
セロトニンが昼の活動物質であるのに対し、メラトニンは夜の睡眠物質であり、両者は昼と夜とで入れ替わるように機能しています。
つまり良質な睡眠をとるためには「日中のセロトニンの活性化=夜間のメラトニンの分泌」という公式が成り立つことになります。
早起きするには早寝すればいいと思っている方がほとんどですが、実は違います。
朝起きて日光を浴びると体内時計がリセットされ、そこから15時間ほどでメラトニンが分泌され自然に眠くなります。
つまり夜眠くなる時間は、朝起きる時間によって決まっているということです。
何がいいたいのかというと、早起きに最も効果があるのは早起きだということです。
睡眠には個人差があるため、一概に何時間寝たらいいというのはありません。
寿命やうつ病へのなりにくさ等と関連したデータによると、7~8時間が最もいいと考えられています。
7~8時間の睡眠時間を確保した上で、あなたが「ぐっすり眠れた!」と思える時間をぜひ見つけてください!
⑥アセチルコリン仕事術
続いては、アセチルコリンです!
アセチルコリンは、認知機能やひらめき、想像力、発想力と関わる脳内物質です。
また、全身の臓器をクールダウンする副交感神経の伝達物質でもあります。
エヴァンゲリオンでは理知的、現実的、そして非常にクールな科学者の赤木リツコがぴったりです。
アセチルコリンを理解するには、まずはシータ波という脳波のことをを知っておきましょう。
アセチルコリンが海馬を刺激することによって出るシータ波は、睡眠に入るときのウトウトした状態や、深い瞑想状態などで発生する脳波です。
シータ波が出るとアイデアが出やすくなり、記憶力の向上や奇抜な発想が生み出されます。
つまりシータ波が出る環境や条件を知っておけば、よりアイデアを生み出すことができるようになるということです。
シータ波を出す方法は、以下のとおりです。
- 昼寝
- 好奇心を刺激
- 外に出る
- 座ったまま足を動かす
例えば昼休みの際、昼ごはんを食べた後に30分程度昼寝するのはかなり有効です。
それ以外にも、新しいものに出会う、初めての場所に行く、新しい刺激が多い環境で生活するなど、好奇心が掻き立てられるのもシータ波を出す条件の一つです。
またアイデアが浮かびやすい『創造性の4B』も、アセチルコリンと密接に関わっています。
4BとはBar(バー)、Bathroom(風呂・トイレ)、Bus(バス)、Bed(ベッド)のことを指します。
いずれもシータ波が出やすく、そしてアセチルコリンが分泌されやすい弛緩した状態であることがわかります。
アイデアというのは机に向かって必死に考えている時間よりも、弛緩した瞬間、そして何も考えていないボーっとした瞬間に生まれるものです。
昼寝をはじめとした休息を意識的に取ることで、シータ波の出やすい環境づくりをしてみましょう!
⑦エンドルフィン仕事術
最後に紹介するのは、エンドルフィンです!
エンドルフィンは多幸感や恍惚感をもたらす、いわば『脳内麻薬』です。
痛みを感じないボクサーやランナーズ・ハイなどはエンドルフィンと関わっており、人智を超えた超越的な雰囲気を醸し出す渚カヲルに例えられます。
エンドルフィンは過度のストレスがかかった限界状態だけではなく、実はリラックス状態に癒し物質としても分泌されることがわかっています。
わかりやすい例でいうと「サウナでととのう」のは、エンドルフィンの効果だと言われています。
心と体がリラックスした状態でアルファ波が出ると、エンドルフィンが分泌されます。
アルファ波は好きな音楽を聴く、川のせせらぎを聴く、きれいな風景を見る、美味しいものを食べる、ヨガ・瞑想・座禅をするなど、主にリラックスした場面で出ます。
また、以下のように物理的にエンドルフィンを出す方法も挙げられます。
- 運動
- 激辛料理を食べる
- 油っぽいものを食べる
- チョコレートを食べる
- サウナに入る
- 性行為
これらのリラックスによるアルファ波と、物理的なエンドルフィン分泌をうまく使い分けて、上手にストレス発散しましょう!
あなたに役立つポイント
続いては、本書の内容を実際に役立てるポイントについてご紹介します。
ぜひ、あなたの今後の人生にお役立てください。
①読む前の課題
本書は「仕事の効率を上げたい!」「モチベーションの上げ方がわからない…」と言う方におすすめです。
一般的な自己啓発本は「気合いで乗り越えろ!」などの精神論をかざすものが多いですが、本書は脳内物質という科学的な観点で、あなたのやる気を起こす方法が説明されています。
これまで『仕事効率の高め方』や『モチベーションの上げ方』を実践してみたものの、なかなか上手くいかなかった経験のある方には、ぜひ一読していただきたい内容です。
②読んで気づくこと
本書を読んで気づくこととしては、ドーパミンやアドレナリンなど、一度は聞いたことのある脳内物質が私たちの人生に活かせるという事実です。
スポーツの場面などではよく聞く名前ですが、これを仕事に活かすという発想がかなりおもしろい。
しっかりとした科学的根拠にのっとっているからこそ内容に説得力があり、スラスラと頭の中に入ってきます。
脳科学のおもしろさに気づけることもまた、本書の魅力の一つだと言っていいでしょう。
③今後の行動
あなたが本書を読んで、今後すぐに実行に移せることは以下の通りです。
- ドーパミン:目標設定→達成の繰り返し
- ノルアドレナリン:締切を設ける
- アドレナリン:意識して休息を取る
- セロトニン:朝の日光、リズム運動、咀嚼
- メラトニン:入眠前に光を浴びない
- アセチルコリン:昼寝など弛緩した時間
- エンドルフィン:運動、サウナなど
脳内物質の分泌はバランスが重要であり、どの物質をたくさん出せばいいということではありません。
もしそれぞれのバランスが崩れてしまったら、脳がうまく機能しなくなります。
現代の日本人は、ストレスや不規則な生活、睡眠不足などが原因で、脳内物質のバランスが悪い状態です。
ぜひあなたもこの本を読んで、脳と体を健康を保ち、100%の実力を発揮できる人生を過ごしてください!
まとめ
今回紹介した内容を抑えれば『脳を最適化すれば能力は2倍になる』の概要をつかめます。
本記事の内容をもう一度まとめてみましょう。
- ドーパミン:目標設定→達成の繰り返し
- ノルアドレナリン:締切を設ける
- アドレナリン:意識して休息を取る
- セロトニン:朝の日光、リズム運動、咀嚼
- メラトニン:入眠前に光を浴びない
- アセチルコリン:昼寝など弛緩した時間
- エンドルフィン:運動、サウナなど